水曜日の彼女
アパートから出て、俺は行く当てもなくトボトボ歩いていた。
もうすぐ夕日が沈むという頃、毎月訪れていた公園に辿り着き、ベンチに座る。
俺が信じて待っていた10年間は何だったのだろうか…。
父さんも母さんも何も悪くなかったじゃないか…。
亜紀はずっと1人で、俺と博斗を待っているのだと思っていた。
会いたいのに会えなくて…
一緒に居たいのに居られない。
そんな亜紀の傍に居たいと思った。
なのに…俺は邪魔な存在だった。