水曜日の彼女
「……さひ。……あさ……ひ…。朝陽っっ!」
俺がずっと…ずっとずっと聞きたかった声が、遠くで聞こえる。
「朝陽っっ!!」
と呼ぶ声に、俺はゆっくり目を開けた。
ここは病院だろうか…?
横に顔を向けると、目の前には、会いたかった人が顔を涙でグチャグチャにしながら泣いていた。
「父さん……母さん……。
ごめん…なさい…。」
俺がそう呟くと、父さんも母さんも、声を上げて泣いたんだ。
血の繋がりなんて…関係ない…。
俺は…こんなにも2人に、愛されていたじゃないか…。
「父さん…母さん…
もう一度…あの家に帰っても良いですか…?」