水曜日の彼女
森山くんに負けずとも劣らない、その整った顔が私の顔のすぐ斜め上にある。
男の人にこんなに接近されたのは、森山くん以外初めてで、思わず下を向いた。
「木村くん。
あの…近いです…。離れてください。」
やっとの思いで、そう口に出すと、木村くんがニッコリ笑った。
「加藤さん……男慣れしてないんだな。
それなのに、朝陽の女とか務まるわけ??」
木村くんの甘い顔とは対照的に、冷たく低い声に、背筋がヒヤッと冷たくなる。
「・・・・・・。」
何も言えないで居る私に、木村くんが話を続けた。
「ねぇ…加藤さん…。
今日…朝陽に会うの…止めてくれないかな…?」