水曜日の彼女


「木村くん……。


1つだけ…教えてください。」




私の言葉に、木村くんの顔が強張った。




「森山くんから…私が離れたら、彼の心の傷は癒えるの??」




ゆっくりと…だけど、しっかりとした口調でそう言った。




「・・・・・・。」



何も言わない木村くんに向かって、更に話を進める。




「私……高校に入学する前、森山くんをある所で見かけたの。


その時……森山くん…泣いてた。


その泣いている横顔から目が離せなくて…一瞬で彼に心奪われたの。


その時から、ずっとずっと森山くんのことを想ってる。


だから…簡単に断ち切れる想いじゃないんだよ。」





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