浅葱色に射す一筋の泪
優輝菜「頭が出てるね…。落ち着いてね?もう会えるからね〜〜〜。痛みとももうサヨナラだよ〜」
と、妊婦さんを落ち着かせる。
いや。優輝菜に言い聞かせる。
ギャーギャー叫ぶ妊婦さんの声が隣の部屋から聞こえる
優輝菜「隣の部屋の妊婦さんの子宮口見て来てっっっ!!!」
軍医「取り出すのは………。」
優輝菜「赤ちゃんが産まれたら直ぐに行くからっっっ!!! お願いします!!
私も怖いんですっ!全員無事に産ませてあげたいんですっっっ!!!」
軍医「あっ……。分かった………」
優輝菜の心情を知り、軍医さん達は吹っ切れたらしい………。
優輝菜「良い?首の骨が折れないように少しずつ回してあげるんです!お母さんの体が楽になるから………。
首の骨が折れたら……死にますよ……」
軍医「っっっ!!!」
優輝菜「良い?プッシュと言ったら思いっきりいきんで!!」
通訳さんは失神しそうだ。
優輝菜は2人目を取り上げ、母子共に処置をし、隣の部屋へ走る
優輝菜「歳………」
走ってる時、思わず歳の名前を呼んだ
優輝菜「歳……」
一筋の泪が優輝菜の頬を伝う……
走りながら泪を拭う………
優輝菜の姿を見ていたのは閔妃だった
格子窓から外を見ると外は真っ暗で月が真上にあった
優輝菜「絶対アジア統一させてやる!
この国をロシアなんかに取られてたまるかっっっ!!!」
グイッ!
通訳さんが閔妃に捕まった
閔妃「今、勇は何と言った……」
通訳「絶対アジア統一させてやる!
この国をロシアなんかに取られてたまるか……と………」
閔妃「何者なんだ……。」
通訳「彼女は損得で動く人じゃないんですよ……。自分にとって不利な事でも、市民が幸せにならないと意味はない。と、改革を起こし、日本を纏めた人です。いつも笑っているけど、彼女の背負う物はいつも重い。医者になったのも、一人でも多くの人が生きれるように……。
貧乏でも、幸せになる権利はあると……前に言ってました……。
失礼します」
と、頭を下げて通訳さんは走り出した
一人残された閔妃
閔妃「ふほっ!面白い……。勇は龍神と呼ばれたオナゴに違いない………」
そう呟き、引き返した閔妃
……………………………
優輝菜「あと何人っっっ!!!」
軍医「地元の産婆が2人目を取り上げたからあと5人!!!」