浅葱色に射す一筋の泪
ババババババババババ
ババババババババババ
潮の香り………。
耳をつんざく様な爆音……。
優輝菜「……………………………。
は………」
翔「どうした。優輝菜………。
泣いてんのか?」
優輝菜「……………………………。
なに………」
翔が生きてバイク乗ってる………。
てか………若くね?
優輝菜「……………………………。
歳は………?」
翔「誰それ………。」
優輝菜「総司は?晋作は?
歳はどこっっっ!!!」
翔「大丈夫か………?」
優輝菜「ふ……。ふぅ……。歳………」
翔「五分時間くれーーーーーー!!!」
後ろで待機する100台余りのバイクに一声かけ、バイクから下りて優輝菜の服を引っ張り、引きずり下ろした翔。
パーキングの車止めに優輝菜を座らせ、しゃがみ込み、タバコに火を点けた翔。
翔「で? どしたって?」
優輝菜「日清戦争で………歳と総司と晋作と翔が爆撃された………」
翔「……………………………。
何十年前の話してんの………」
優輝菜「日清戦争で…………」
翔「おぃ。マジで大丈夫か?今から拓先輩の追悼集会だけど、お前帰った方が良くね?」
優輝菜「追悼………集会…………」
翔「副総長がしっかりしてくんねぇと、下の奴らに示しつかねぇから帰れよ…」
優輝菜「……………………………。
戻った………。時間が……」
翔「……………………………。」
優輝菜「日清戦争で、土方歳三、沖田総司、高杉晋作はどうなった?」
翔「……………………………。
あんま歴史得意じゃねぇんだけど……」
優輝菜「じゃあ!!!新選組はいつまであった?」
翔「新選組は警視庁だろ?今でもあるじゃねぇか……。何言っちゃってんの。マジで……。 てか、新選組は俺らを捕まえようとしてんの分かってんの?」
優輝菜「……………………………。
マジか…………」
翔「土方歳三は日清戦争で撃墜だろ?」
優輝菜「……………………………。
そっか………。死体は………」
翔「知らねぇよ!そこまで!!!」
優輝菜「……………………………。
じゃあ………
龍神って知ってる?」
翔「徳川慶喜と戦った龍の噂? 日清戦争で天に帰った伝説な………。」
優輝菜「死んだの?」
翔「さぁ……。てか、伝説だろ?
龍神は天に帰った後、若い女に化けて、愛する男の下へ戻って幸せに暮らしましたとさ……って説もあるけどな……」