浅葱色に射す一筋の泪
優輝菜「……………………………。
また……歴史が変わった……。
日露戦争は? 第二次世界大戦は?」
翔「また同じこと言うけど、俺、歴史得意じゃねぇんだけど………」
優輝菜「これから先さぁ……。走り続けてたら、事故に遇うかもしんないじゃん?」
翔「あぁ?」
優輝菜「もし、私が事故っちゃっても、お前のせいじゃないから………」
翔「……………………………。なに」
優輝菜「例えばだよ!例えば………。
もし、死んでも、私は絶対後悔しないから………。安心して空軍に入ってくれたまぇ」
翔「何で空軍?」
優輝菜「お前に合ってるから……。
お前は軍人になるから………」
翔「何で俺の人生勝手に決めてんの!」
優輝菜「ケラケラケラケラ
そうだな……。」
翔「うしっ!行くぞ〜〜〜!!!」
……………………………
ゼファーに跨り、ミラーを確認。
若ぇ………。
優輝菜は特攻服を少しずらし、両肩を確認。
刀傷、銃創………。あり。
優輝菜「……………………………。
訳分かんねぇ………。」
何で……戻ったんだろ………。
何で………。
何で………。
何で翔は覚えてねぇ〜んだよ………。
私だけ………何で………。
幕末。明治を長い間生きて来た優輝菜に江ノ島のネオンは明る過ぎる
優輝菜「元々はこの時代の人間なのにな……」ふふっと笑って翔を見た。
翔「よし!じゃ、行くぞ〜〜〜〜〜!」
優輝菜『拓先輩………。私大きくなったでしょ……』
心の中で呟く優輝菜………。
いつも、何かに怯え、強がり、逃げ、皆に迷惑かけて来た優輝菜………。
いつも……言い訳ばかりで自分を正当化しようとして来た……。
でも……、幾ら言い訳しても正当化しても……自分は変わらない……。
なんでも良い……。行動に移すだけで良い………。
誰かを卑下するなら……そいつより上に行かないと自分はいつまでもそいつの下。
変わりたきゃ自分が変わるしかない。
泣いても叫んでも周りは支えるだけ。
自分で立ち上がらなきゃ廃人になるだけ。
どんなに腐っても這い上がれば良い。
やり直せない事なんてない。
後悔したらそこからまた始めれば良い。
遅過ぎる事なんてない………。
今からやれば良い………。
99%無理なら1%の可能性を伸ばせば良い。
生きる事に無駄な事なんて何一つない。
神は乗り越えられない試練は与えないと言ったそうだ………。
なら……今抱えてる悩みや葛藤は乗り越えられると言うこと………。
ゆっくりでも良い……。
人と違ってて何が悪い………。
辛いことを多く経験した人は人の痛みがわかる人間になれる………。
頑張んなくて良い………。
自分のペースで良い……。
ただ……自分の行動に責任を持て……。
人のせいにしてはいけない。
それが理解できれば、人間として十分だ。
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