浅葱色に射す一筋の泪




江戸城にて………


麻呂「木戸は……入院してる」


優輝菜「胃潰瘍?」


麻呂「………よく知ってるね……」


優輝菜「お父さんに………」


麻呂「もう……助からないよ……」


優輝菜「やってみないと分からない!
病院教えて!!!」



……………………………




お父さんをバイクに乗せて麻呂に教えて貰った病院に行った


お父さんが診察する………


父「レントゲンが欲しいなぁ〜〜〜」


優輝菜「レントゲンは……まだない?」


父「確か……1890年代………」


優輝菜「あと数年なのに………」


父「切開してみるか?」


優輝菜「かけ?」


木戸「良いんですよ」ニコッ!


優輝菜「何が良いんですか!!!
桂さんはこの世に必要なんです!!!
保守派のあなたが………」


木戸「木戸です………。もうね……十分働いたと思わないか?」


優輝菜「……………………………。」


木戸「幾松がいれば良い………」


全「……………………………。」


木戸「良いんだ……。優輝菜。ありがとう………」


優輝菜「……………………………。
分かり………ました」


父「胃潰瘍は手術で治せるんですよ?」


木戸「幸せでしたから………」


優輝菜「ごめんなさい……。もっと早くに気付いてあげられれば………」


木戸「……………。あなたに出会えて良かった………」


優輝菜「私もです」


木戸「沢山、喧嘩もしましたね……」


優輝菜「………………………。はい」


木戸「結果……お互いが望む世になったと……思わないか?」


優輝菜「………………………。はい。
あなたの……桂さんの……おかげです」


木戸「木戸です」


優輝菜「私は……晋作も、桂さんも、麻呂も……。 こう呼び続けたい……」


木戸「ふふ……。何故……」


優輝菜「沢山喧嘩して。沢山笑って。沢山泣いて……。私が一番幸せだった時、一番辛い時にいた人達だからです。

私の……かけがえのない人達なんです」


木戸「……………………………。
あなただけは…桂と呼んで良いですよ……。

私にも沢山の仲間がいたから……今まで頑張って来れた……。

敵だった新選組が仲間になるなんてな……。 ありがとう。 優輝菜………」




……………………………





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