♛LoveWork♛
超メディア社会
 朝、決まった時間に
背中の方から支え、僕を抱え起こす
ロボットの手と
左方向からコーヒーを持った
ロボットの手が出て
僕に朝だと告げる。

数秒後にはカーテンが開き、
布団を回収してくれて
洗面所やタオルも僕のところまで
移動してくる。

僕の部屋の壁は穴だらけで
そこからロボットの手が出てきて
様々な日常の動きを手伝ってくれる。

これは大手企業である、
高川グループが開発して
世界中で売れたロボットだ、

しかし、ロボットと言うのは
もはや死語に近い。

高川グループの社長は
集まったメディア報道陣の前で
堂々とこう言い放った、
『これは世界中のどのご家庭にも使われ、
将来的には皆さんが
使っている家電と同じ頻度で
使われるようになるでしょう』

この言葉を受けて
翌日の新聞やテレビには
【次世代の家電!!】と取り挙げられた。


その名も、高川の手(takagawanote)
なんともネーミングセンスゼロな名前だ。
その名前がまた
CMに出ていたので
思わず飲んでいたコーヒーを
吹いてしまった。





< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop