みんな病んでる。
ほら、今も教室の片隅で、俺の誘いにも乗ってこず、同じく陰湿でハブられているユウカとふたりで小さく談笑している。

ふん。

どうせサツキがドッヂボールやりたいって言ってきても、「オマエみたいな気持ち悪いヤツ、入れてやるもんか」って一蹴してやったけれど。

体育館に着くなり、俺は容赦せずにボールを次々とぶつけていく。

「痛った~い。リョウ、手加減してよね~」

「へへん。弱いオマエが悪いんだよ」

敵の女子の肩にボールをぶつけ、そいつはアウトになり、外野に移動しながら言ってきた。

そのボールがコロコロとまた俺の足許に転がってきた。

それを拾うと、俺はすかさず敵陣の女子にぶつけた。

相手がわざと取れないような球筋を狙う。

肩とか、脚とか。

……さすがに、顔には当てないけれど。

ばん!

ばん!

次々と奴らにボールを当てる。
< 24 / 37 >

この作品をシェア

pagetop