みんな病んでる。
ドッヂボールというのは、殺人的ゲームだ。
ひとにボールを当てても構わないんだ。いや、そういうルールなのだ。
ゲームでなければ、ただのいじめに等しいだろう。
ひとにボールをぶつけるのが正当化されるなんて、なんて野蛮で面白いスポーツなんだと思う。
ひとり、またひとりと、俺は全力で相手チームの輩にボールをぶつける。
「さすが! リョウ、ナイスプレー!」
同じチームの男子が、俺に声をかける。
別に、ナイスプレーを狙っているわけではない。
ひとにボールをぶつけて、楽しんでいるだけなんだ、俺は。
☆
「昨日言ってたわよね。リョウくん、問3を答えて」
大学を卒業したてのような、若い女の英語教師が俺を名指す。
「……」
「どうしたの? 宿題にしてたでしょう?」
「やってきませんでした」
俺は下手に出てやった。
「やってこなかったの? どうして?」
いかにもか弱そうな教師だ。
俺は、ばん! と机を叩いた。
ひとにボールを当てても構わないんだ。いや、そういうルールなのだ。
ゲームでなければ、ただのいじめに等しいだろう。
ひとにボールをぶつけるのが正当化されるなんて、なんて野蛮で面白いスポーツなんだと思う。
ひとり、またひとりと、俺は全力で相手チームの輩にボールをぶつける。
「さすが! リョウ、ナイスプレー!」
同じチームの男子が、俺に声をかける。
別に、ナイスプレーを狙っているわけではない。
ひとにボールをぶつけて、楽しんでいるだけなんだ、俺は。
☆
「昨日言ってたわよね。リョウくん、問3を答えて」
大学を卒業したてのような、若い女の英語教師が俺を名指す。
「……」
「どうしたの? 宿題にしてたでしょう?」
「やってきませんでした」
俺は下手に出てやった。
「やってこなかったの? どうして?」
いかにもか弱そうな教師だ。
俺は、ばん! と机を叩いた。