みんな病んでる。
すごい。三つ又の枝毛だ。

私はまじまじとその毛を見る。

手触りで、「宝石」も枝毛も解るようになっていた。

今は理科の授業中。

怖いおっさん先生の目を盗んで、私は鞄の中からピンセットを出した。

ぴーっ。

枝毛の先を、ピンセットで割いていく。

これも気持ちのいい瞬間のひとつだ。

「宝石」はスヌーピーの「宝石箱」へ。

枝毛はピンセットで割いて。

その他のなんでもない毛は、そのまま床にぽい、だ。

そこへ、終業のベルが鳴った。

先生は教室を出て行き、生徒たちも散り散りになる。

私は席を立ち上がって、床に落ちた毛を両手で拾い集めた。

まるで美容室みたいに大量の毛がたくさん落ちている。
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