みんな病んでる。
私たちは黙々と髪の毛を拾った。
やがて、総て集め終わると、サツキは何も言わずに、そのまま立ち去った。
クラスの人気者のサツキに、見られた。
彼女が、こんなものを集めていたと、私のことを吹聴して回ったら……。
私は、ますますバカにされる。
そんな思いが胸を掠った。
けれど、サツキはきっと黙っていてくれる。
去り行く彼女の背中を見て、何故だかそう感じた。
☆
あ~、もう、誰もいないじゃないか。
私はパタパタと放課後の廊下を走っていた。
明日、英語の小テストがあるのに、教科書を教室の机の中に忘れてきてしまったのだ。
秋が深まるこの季節、もう外も校舎内も薄暗い。
ちょっと怖いので、私は走って自分の教室へと舞い戻っていた。
……あれ?
うちのクラスだけ、明かりが点いている。
訝しがりながらも、私はドアをそっと開け、教室の中へと入った。
やがて、総て集め終わると、サツキは何も言わずに、そのまま立ち去った。
クラスの人気者のサツキに、見られた。
彼女が、こんなものを集めていたと、私のことを吹聴して回ったら……。
私は、ますますバカにされる。
そんな思いが胸を掠った。
けれど、サツキはきっと黙っていてくれる。
去り行く彼女の背中を見て、何故だかそう感じた。
☆
あ~、もう、誰もいないじゃないか。
私はパタパタと放課後の廊下を走っていた。
明日、英語の小テストがあるのに、教科書を教室の机の中に忘れてきてしまったのだ。
秋が深まるこの季節、もう外も校舎内も薄暗い。
ちょっと怖いので、私は走って自分の教室へと舞い戻っていた。
……あれ?
うちのクラスだけ、明かりが点いている。
訝しがりながらも、私はドアをそっと開け、教室の中へと入った。