チョコよりも甘い
高校生
「甘音〜起きて〜先輩来ちゃう〜」
聞こえてるよ。聞こえてるけどさ。
やなんだもん。誰が起きるか⁇
誰も起きません。
「甘音〜起きろ〜チョコ買って来た〜」
聞こえてるよ。すごく聞こえてるよ。
誰が起きるか⁇
あたしが…
「起きる」
机に伏せていた顔を上げるとそこにいたのは我が友2名だった。
「あたしが起きてって言っても起きなかったのに‼︎」
こちらが大変お元気な女の子。
その名を佐原 華絵(さはら かえ)という。
「甘音はチョコが好きだからな」
こちらは大変お優しい男の子。
その名を工藤 葵(くどう あおい)という。
「うん、チョコが一番」
あたしは大好きなチョコを咥えながらそう言った。
「甘音ー‼︎それちょっーと…いや、てかかなりひどいよね⁉︎え、何⁉︎あたしはチョコより下ですか⁉︎まぁ⁇分かってたけどさ⁉︎でもさ⁉︎それにして…」
うるさい華絵を聞いてるのは慣れたけど、今は特に好きなチョコなのだ。それは邪魔されたくない。
「華絵、うるさい、やだ。」
あたしはチョコを食べ終わるとそう言って、また机に伏せた。ちなみに今はもう放課後なので先生に怒られる心配はなっしんぐーだ。