月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
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「涼音―苺花―、今日男バスと試合だって」
「「………」」
名前を呼ばれた涼音と苺花はお互いの顔を見合わせてしまった。
涼音が迫害されるようになって――三週間ほど。
完全に孤立したのは一瞬だったが、部活内で涼音に声をかける人は苺花以外にいなかった。
なのに。
同じクラスの女子バスケ部の一人が、当たり前のようにそう言ってきたのだ。
な、何かあったんだろうか……。