月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「ま、苺花、私はもう……」
「ダメ! 私も謝ったの。
こういうのって、――ほんとは謝って済むものじゃないけど、でも謝るしかないの」
苺花は頑として譲らなかった。
「ごめんなさい!」
その声をはじめに、次々と謝罪が口にされ、頭が下げられる。
「ごめんなさい。……涼音、ごめん……」
涼音は苺花の顔を見た。
もう、いいよね? と目で問うと、苺花は大きく息を吐いた。
それを見て、涼音が言う。