月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
『張り切るって。それから俺は可愛くない。可愛いは女の子への褒め言葉だ』
「あ、聞いてたんだ。そしてこだわりもあるんだね」
『でも鈴斗は可愛かった。……ちっちゃいヤツは可愛いって言ってもギリギリ許される気がする』
「お前かなりゆるゆるな線歩いてるね。じゃあ――明日ね。待ってる」
『うん。明日。またな』
携帯電話を耳から離し、少し迷ってから通話終了のボタンを押した。
麗音と出逢って五日。
電話は二回目だ。