月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
莉々と梨麻は、礼儀正しく涼音にも鈴斗にも優しい麗音が気に入ったようだ。
麗音は笑顔でまた礼を言い、それでは、と若月家を出た。
涼音は、門前まではついていくことにした。
「ありがとな、涼音」
「こちらこそ。鈴斗楽しそうだった」
少子化で、更に人口の減っていく田舎。
鈴斗は同じくらいの子が近所にいなくて、保育園に行ったあと、帰ってから一緒に遊ぶ子はいない。
今日は麗音が来て、すごくはしゃいでいた。
懐いてくれたみたいで、それは麗音も嬉しい。
……けれど。