月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「今度は月丘よりもっと遠出してみる?」
「する! あ、でも涼音、春野とか連れて来るのはナシだからな。俺も漣は連れて行かないし」
涼音は一度大きく瞬いた。
「ほんとに二人きりになっちゃうけど……いいの?」
「いいよ! 絶対だからな」
「わかった。絶対ね」
「よしっ。これで俺も頑張れる」
拳を握って見せる麗音。
立ち上がり、少し躊躇うように涼音を見た。
瞳が細まる。