月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】


涼音と多透、揃って間の抜けた声を出してしまった。



景周は黙って見ている。




「年数で言えば涼音の方が強いだろ? 俺は涼音より強くなるから、涼音の前に波間に勝てるようじゃないと通用しないってことだ」



「「………」」
 


何だろう、この漣理論を応用したような麗音理論は。



こじ付けが過ぎる。
 



武道は年数じゃない。



実際、多透は涼音より弱かったが、辞める寸前ではほぼ互角だった。



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