月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
空緒は、離れられないではなく、離れる気がない。
そこで生きていく覚悟はとうにあって、麗音のために変革すらもたらすと言う。
(兄弟ってすごいな……)
お互いを思う気持ちは、友達とは少し違うようだ。
大事な人。
涼音は口をつけていなかったアイスティーを一気に飲み干す。
麗音に「寒くないのか?」と訊かれたが、これも涼音の手段の一つだったのだ。
あまりに空緒が、話が通じない人だったらこれをぶっかける。
そのために、ホットでは火傷をさせてしまう可能性があったので、冬も近いのにアイスで頼んだ。