月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
夕暮れの喫茶店を出て、麗音は兄に付き添った。
このまま高河の方に帰ると。
涼音は、苺花を置きっぱなしにしてしまったので、苺花と合流して帰る。
「苺花、ありがとな」
「……勝手に呼んじゃったけど、大丈夫だった?」
「勿論。苺花が連絡してくれて、助かったよ」
微笑み、苺花の頭を撫でる。
苺花は嬉しそうに瞳を細め、
「涼音大すきっ!」
「ああ」
いつものように抱き着いた。
……涼音も、抱きしめ返す。