月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】


「音哉という名前だ。恋人だった父さんとの間に私が出来て、母さんがそれを伝えるって決めた日に、恋人が事故に遭って亡くなった。

車に轢かれそうな子供を助けて、自分は即死だったんだって」



「………」
 



ふと、涼音が手のひらを見せるように両手を広げた。




「母さんさ、指輪してるだろ? 両手に」



「あ、うん。両方とも薬指――あれ?」



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