月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「泣かないでいられっか。すごい家族愛じゃん」
麗音は喉を鳴らして涙をどうにかしようとしている。
涼音の方は落ち着きを取り戻す。
「……だから麗音には話さなかったんだ」
「俺?」
「麗音は、ご家族のことで悩んでいるのはわかってたから……こういうこと話して、麗音の傷広げたらどうしよう、って……」
「俺の話とは別問題だよ。感動する話は素直に泣けちゃうし」
涼音の家族はすごいよ、と力説された。