月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「麗音に逢って、話して、改めて父さんのこととか、私が小さかった頃のこととか思い出してみた。
……みんな、一生懸命この命護ってくれた。
今は、私には自分の命より重いって言えるものがあるけど、自分は軽いものでもないわけだ。
……麗音が、空緒さんの優しさに心、護られていたみたいにさ。
――だからもう死なないって、決めた。死ぬまでは生き続ける!」
麗音は袖で目元を拭った。
威勢よく応える。
「……っ、おう! 元気だな! 涼音!」
「元気だ! っつーことで麗音、私の婿に来るか?」
「おうっ! ……はい?」