月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】


麗音は真面目な顔になっていた。



涼音はわざとへらへら調子で訊いたが、麗音の様子は崩れない。




「俺、プロポーズは自分からしたい派だと今わかった」



「へ?」
 



宣言された。



しかし涼音にはその言葉を刹那理解しかねた。
 



麗音が真っ直ぐに、月を背にして涼音を見下ろす。





唇と瞳に、優しい微笑みをたたえて。







「涼音、俺に惚れろよ」



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