月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
大事な友達で、今までの誰ともカテゴリーが違う。
一叶や多透や、苺花や――他の誰とも同じ目では見ていられない。
目がずっと、麗音を追ってしまう。
見守るよりも、見つめていたい。
そんな気持ちの、麗音はともだち。
「……これ以上一緒にいたくてどうすんの……」
「いればいんじゃね?」
さらっと答えられた。
「………」
……こういった、素直さにかけては麗音に適わないことはもうわかっている。
ならば自分も無理に飾らなくていいだろうか――。