月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「えー、すげー、何これ、運命共同体みたいな感じじゃん」
「単なる偶然だよ。
……麗音には悪いんだけど、私、麗音と友達でいたいから言っちゃうね?」
「うん?」
「私がいじめられてる理由の、始まりの一つが、この名前なんだ」
「……うん」
麗音の声は神妙になる。
「麗音は、自覚はないみたいだけど有名人だよ。
それで私は、麗音とは繋がりのない、同姓一字違いの名前。
なんだけど、部活内では、麗音と親戚とか関係があると思ってた子が多いみたいなんだ」
「あー、確かに。俺も一瞬思った」