月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
遮って、涼音が麗音の両頬を捉え真っ直ぐに見上げてくる。
愛しい子の真剣な表情に、どきりとしてしまう。
涼音はゆっくり口を開いた。
「私は麗音の顔もすきだよ。だから、私がすきな麗音のこと、お前が嫌いだなんて言わないで」
真っ直ぐな、瞳。
「………はい」
抵抗などする気もなく麗音が肯くと、涼音は満面の笑顔になる。
……ずるいと思う。この子は。
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