月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「その時点じゃ面識なかったけど、今は友達なんだから、俺の友達だって言っていいよ?」
涼音は驚いた。
素直と言うか純粋と言うか……ここまで天然記念になりそうな人、初めて逢った。
「……ありがと」
麗音は優しいね。
手の甲で抑えた口元から、小さく音がこぼれた。
「あ、でも……その、俺と関わってるって知られたくなかったら………」
「麗音」
「……はい」
「麗音は私の友達、でしょ?」
「……―――うん」