月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「麗音、
「涼音。俺はあれ以外友達いねーから普通はどうするもんかわかんねーけど、
何かお前の今のこいつへの態度、違う気がする」
「………」
麗音の中の『友達』が描く姿は、涼音に甘くするだけでは、きっとないと思う。
さっき麗音が涼音に抱き着いて泣いたように、涼音も抱き着いて泣いていい。
(俺はそういう風に、居たいと思う)
涼音の傍で。
「……ははっ」
と、涼音の肩が揺れた。