月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
「……お前らと一緒だったら私、今の状況に悩んだりしなくて、
希死念慮なんかも持たなくて、そしたらあいつと出逢ってなかったから。
……あいつと友達になるために、お前たちと違う学校だったのかなって思ったら、
何だか落ち着いたんだ」
涼音の声は、落ち着いている。
静かだ。
現状は何も解決していないはずなのに、焦りや不安が見えない。
一叶が瞳を細める。