月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】
『本当のことだから。それがどうして涼音を無視することになるんだ?』
拳を握って肯定されて、涼音は熱くなる頬の色を見られないように額に指先を置き、顔を隠した。
『自分一人で行動を決められて、一人で行動出来て、凛としていて、迷いがなくて、真っ直ぐで――
とても、カッコいいの。
……それが、はじまりだよ』
『………』
今度は、麗音は茶化さなかった。
無言に押されて苺花は続ける。