愛してるの一言で。
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『ねぇ〜!陸〜!』
それはまだ寒い冬の日。
放課後デートだった。
『んー?』
『この人見てよ!』
ニコニコと笑いながら
奈々はひとつのファッション雑誌を差し出してきた。
『ZENくん!!
かっこよくない?』
あまりに奈々が瞳を輝かせて言うので
俺は焼きもちをやいたっけ
『俺よりもソイツが好きなのかよ?』
『あっ!ヤキモチ!』
奈々はイタズラに笑った。
『ち、ちげーよ!』
図星だったのに
俺は慌てて目をそらした。
『見て欲しいのはZENくんじゃないの』
微笑みながら奈々はうつむいた。
『じゃあなんだよ?』
『それはねー、髪!♡』
『髪ィ?』
『うん!絶対陸に似合うよ!
このカラー』
『金髪かぁ?うーん。
じゃあ何年後かしてやろう(笑)』
『ほんと?やったー♡約束!』
『うん。約束』