愛してるの一言で。
「り、陸くんっ。おはよう!」
ひとりの女が耳を赤くして
俺に近づきてきた。
「......ウス」
軽く挨拶してサッサッと校内に行こうとする。
「きゃー!♡渚奈!(ナナ)
よくやった!」
ピクッ
なな?
俺は思わず振り返ってしまった。
さっきは顔をあまり見てなかったが
そこにいたのは
あの菜々に似てる弾ける笑顔で
「緊張したぁ!」
と話してる。
「...なな」
思わず呟く。
髪色も同じ。
目の色も。
照れるときに
ほっぺたをかくクセも。