愛してるの一言で。
✲第三章✲

動揺






俺は保健室にいた。

ぼーっとしていた。
気分が悪いと言ったらベッドに寝かせてくれた。


頭も痛い。
涙は止まった。


俺はきっとどうかしてたんだ。
ただ似てるだけ。

それだけ。
あれは俺の愛した菜々じゃない。

わかってたのにわかってるのに
どうしても思い出してしまって....

同じ名前なんてよくあることだ。
髪色も....茶色なんてどこ見てもいるし。



でも....目の色は?
クセは?

母親がアメリカで
父親が日本の菜々の目の色はブルーだった。

綺麗な吸い込まれていきそうな
魅力的な瞳だった。


クセも何で?
照れるときにほっぺたをかくクセ。

指摘すると昔からだもん!と
言ってみせた菜々。


ほら、また....心臓が痛む。

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