愛してるの一言で。
「あ、あの....」
背中の方から声がする。
振り返ると俺は唖然とした。
まさか----------
助けた女が....あの女だったなんて。
そう、俺の背中際にいた女は
菜々に似てるもう一人のナナだった。
「あ....りがとう....っ」
ポロポロとブルーの瞳から
流す大粒の涙は
俺の記憶を深くえぐった。
『もう別れようぜ』
ズキズキ....痛い....
俺は足元がふらついて
急に視界が真っ黒に染まった。