愛してるの一言で。

「私ね、陸くんと仲良くなりたいの。
彼女とかそういう関係じゃなくてもいい。お友達になってくれないかな...?」


顔を赤らめて
ニコっと可愛く笑う彼女を見て
ビクッと肩が震えた。


友達?


俺はどうすればいいか分からず
うつむき、黙ってしまった。


早く断ればいいのに。
いや、断らなければならないのに。

彼女の姿が奈々に似ているせいで
動揺してしまう。


この子が困れば
奈々の顔で困られる。

奈々が困っていると思ってしまう。

違う別人だってわかってるのに....

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