愛してるの一言で。
「なーぁ〜、陸〜」
「何」
俺の腕に巻き付きじゃれてくる
伸也から逃げるように顔を背けながら答える。
「久々、俺の家で遊ばねー?」
伸也は無邪気に笑ってもっと腕の絡みを強めた。
その力は痛いくらいに強い。
さすが番長....。
と言ったら古くせぇ!と伸也は怒るかもしれないなと想像するとクスリとこっそり笑ってしまう。
「ケーキとジュースのセットが
出るならいいけど。」
俺がそう言うと伸也は
俺の腕の肉をつねり「そんなもんあるわきゃねーだろうが。」とピキピキと怒りを顕にした笑い方をした。
「痛い痛い痛い。離せよ、アホ!」
「アホはてめーだっての!
とりあえず今日は暇なんだから
俺の家に来い!」
ドンと伸也は自身の胸を叩き
何故か自慢げにふんぞり返った。
「お前はいつも暇人だ」
「あ!?なんだとォ!?」
ギャーギャー伸也と騒いでる内に
今日あった頭を抱えるような辛い出来事は
いつの間にか頭のタンスの中にしまっていた。
こういう時
こんなんでも親友なんだな、と。
伸也の存在の大きさを実感する。