愛してるの一言で。
「ウルセェ〜なァ。もう。」
バタンと戸を閉め
俺は制服に着替える。
反抗的な態度を親にとりはじめたのは
いつからだろう?
反抗期と一言で片付けられれば
それまでだが、
それは何だか嫌だった。
まるで子供扱いされてるみたいで
情けなくなるから。
「奈々は優しかったから
反抗とかしなかったんだろうな」
俺は奈々と撮った写真が入ってる
写真立てを手に取る。
これを見る度に
胸が締めつけられる。
あの情景がフラッシュバックされる。
何度も何度も。
後悔の渦が俺を取り巻いて
離さない。
それはきっと一生。