想いの能~チカラ~
お店のドアが開く音がして、
「遅くなった。」と聞いたことのある声がして振り向くと、そこには団長が。…最悪パターンだ。避けていた理由を聞かれる感じがする。
団長は丸いテーブルを向かい合わせで居たあたし達のサイドにある空席に座った。
暫くは普通の日常会話だったけどケーキと紅茶、コーヒーが届いてから団長が口を開いた。
「…レイカ。何で、こういう場を設けたか分かるか?」
「…はい。…でも、理由は聞かないで下さい。」言ってしまったら、あたしの方が技術的な力を有している事は丸分かり。だから言わない。
「…いや、レイスと話し合って大体は分かってるつもり。…レイカ。君は以前居た世界の方が技術的な生活水準が高かったのだろう?…それでもし、技術を与えすぎれば危険な兵器とか作れてしまうかも。と考えたのだろう?」と団長が言った。
「………」当たっていた。
「悪かった。とても浅はかな考えで。…レイカに会いたい、と言ってる妹にもアレの詳しい事は聞かないように。充填式に興味を持った奴にはレイカを会わせない。それでも会いたいと言うなら俺やレイスを同席させて、必要以上な事を聞かれたら、そこで打ち止める。だから避けてる事止めてくれないか?」と団長は言った。