想いの能~チカラ~

「3ヶ月前。…覚えあるか?」とレイスが冷たい声で言う。…覚えてる。俺は頷くと、

「どうするんだよ。身分、ちゃんと分かってるのか。」…言われなくても。

「離したくなかった。レイカの性格からすると俺の身分が分かれば、離れてしまう可能性が高いんだ。だから、」続きを言おうとしたら

「この、馬鹿が!!」と言われて思いっきり殴られた。

「叩かれるのはレイカなんだぞ!ちゃんと考えろよ!!」レイスが怒ってる。

「…レイスさん、怒らないで下さい。」とレイカの声が聞こえるとレイカがベッドから身を起こす所だった。

「レイカ、まだ寝ていた方が良い。」と頭を切り替えたレイスが言う。…レイカを横たえてレイスは

「二人でちゃんと話し合え。」と部屋から出ていってしまった。

「クロード、あたし、どうしたの?」とレイカが言い、近くにあったパイプ椅子をレイカのベッドの近くに置いて座ると

「良く聞いて。…レイカ。今レイカの体の中には2つの命がある。」レイカは目を丸くして

「うそ…。」と呟いた。

「本当の事だ。レイスが断定した。」と俺は言った。

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