想いの能~チカラ~
──それからはわたしが説明しましょう。
そんな声が聞こえた。…綺麗な青い鱗、目を持つ龍は
「水龍…」と俺が呟くと空気を飲む声が聞こえた。
──お久しぶりですね?と言われて俺は
「お久しぶりです」と言うと龍の目は笑い
─貴方はレイカだけを気にして下さい。と言った俺は頷くと
─わたしが水龍です。普段はレイカが喚ばない限り此方に来ないのですがこのままでは埒があかないので来ました。と水龍は話し始めた。
──何故、レイカを認めないのかわたしには疑問です。と凛とした声が響いた。
「それは…」と議長が口ごもる。
──レイカからこの社会は実力社会だと聞きました。なのに何故?と言うと沈黙が降りた。
「父上、議長、副議長、僕は兄様達を支持します。…こうしてお互いを思い合ってるのに引き離す事は如何と思います」と弟であるクリスが言葉を発した。続けて
「私もクリスと同じ意見です。〝前例〟等は覆す為にあります。…国民にも〝実力社会〟を示せる事と考えます。」とマギーも言う。
「次世代を任せる子供たちの考えが明確ですし、」と母上。…決まったな。父上は母上の考えを覆す事が出来ない。