五つの顔を持つ私
「はぁ!?転校!?」
叫ぶのも無理はないと思う。
「そう、転校、してもらうから」
「ちょ、空。待ちなさい」
「ん?」
「ん?じゃないでしょ?ちゃんと理由を説明なさい」
「これ、見て!」
空から渡されたのは茶封筒。
中には書類が入っていた。
書類を取り出すとでかでかと『聖龍学園』の文字。
「『聖龍学園』…?」
ペラペラとめくる度に目が見開かれていく。
・偏差値95
・表向きは超エリート高校
・部活動でも全国大会連勝
・『聖龍』、『光龍』、『天龍』、『神龍』に所属している人と『ruler』に所属している裏の人達しか入れない
・その人達は強制
・普通科と特別科に分け、普通科は暴走族に入っている人、特別科は裏の人が入る
・面接、試験無し
・内申書や願書も必要ない
・『聖龍』の幹部は特別科に所属し、黒木麗は生徒会長、佐々木原ゆかが副会長、幹部は生徒会役員
・二階堂空が理事長で二階堂仁が校長
「…なによ…、これ……」
「麗のために造った!」
「空が?」
「うん!」
確かに空だったらそんなこと造作もないだろう。