五つの顔を持つ私
「なぁ、なぁ!お前、暴走族に興味ねぇ?」
早速勧誘を始めた龍神。
そんなに誰彼構わず勧誘してもいいのかしら?
“裏切られるかもしれない”という概念はあなた達に存在しないの?
……ずいぶん能天気でお気楽な頭達ね。
よりにもよって仁を勧誘するなんて。
命知らずもいいとこだわ。
「暴走族…ねぇ?」
仁がちらりとこちらを見る。
そこで流し目入れなくてよくない?
「あ、こいつらも一応入ってるぞ」
“一応”をやけに強調して言う幹部。
「俺、そんなのに興味ないんで」
「ンだと!?」
“そんなの”と言われたことがよっぽど気に入らなかったのか怒鳴り散らし始めた。
…自分達から誘っておいて。