お菓子よりも甘く



「ちょっとこっちおいで」


『う...なに?』




腕を掴まれ連れていかれたのは

住宅街の、目立たない細道



「瑠々、なんかあった?」


目線を私と同じにして

しっかりと私の目を見ながら
遥斗君は聞いてくる


『...なんもないよー』



私は顔を横に向けて

わざと目を合わさないように、喋る



遥斗君の顔を見ながら
嘘をつくのはかなり難しいんだもの

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