お菓子よりも甘く
「輝樹?」
「ど、どうした」
俯いたまま、
一言も発さない輝樹君を心配して
友達は声をかける
「...俺、姉ちゃんに昔
何があったかって知らないんです
親に聞いても教えてくれないし
姉ちゃんには聞けないし...」
そこで顔を上げる
まっすぐな眼が、俺を見ていた
「あんたからさっきの事言われて
なんとなくだけど...
なんだろう、言葉に出しにくいけど
胸の...どっかに刺さってた棘が
取れたっていうか...
...もう1回、名前教えてくれませんか」
『二尾遥斗。
君のお姉さんと同じ学校、同じ学年』
「...遥斗さん
姉ちゃんのこと、頼みます
あ、泣かせたら許さないんで」
彼は、笑顔で言い放った
『...っく、分かった。
極力泣かせないよう努力するよ』