絶対王子は、ご機嫌ななめ
「私、そんなに痩せてないですよ? 着痩せタイプ?なんだと思うんです。脱いだら、スゴいんですよ」
なんて、冗談で言っただけなのに。
「へ~そうなのか。じゃあ今度、見せてみろ」
と返されて、開いた口が塞がらない。
そんな私の顔を見て政宗さんがフッと笑うと、からかわれたと気づく。
「ま、政宗さん、バ、バカじゃないんですか? なんで私が、政宗さんに裸見せなきゃいけないのよ……」
最後の方は小さな声でブツブツ呟くと、ジロッと政宗さんを睨みつけた。
あんなにサラッと言われたら、本気だと思うじゃない。政宗さんの意地悪!
イライラする時は食べるに限ると、パスタを口に放り込む。でも入れすぎて喉に詰まると、ゴホゴホとむせてしまう。
「おい、何やってんだ。ほら、水飲め」
政宗さんから水の入ったコップを受け取ると、急いでそれを飲んだ。喉に詰まったものが流れ息苦しさがなくなると、大きく深呼吸をする。
「あぁ、苦しかった」
「なんか柚子おまえってさ、いちいち面白い反応するんだな。一緒にいて飽きない」
政宗さんはそう言うと、マリネサラダを一口頬張った。