絶対王子は、ご機嫌ななめ
後先考えず来てしまったけれど、政宗さんにしてみれば私の訪問なんて迷惑かもしれない。
だって私は、政宗さんにヒドいことを言ったんだから……。
怒ってるかもしれないし、愛想つかしてるかもしれない。
俺様な政宗さんが私をそばにおいておいたのは、何でも従う従順なしもべだったから。そうじゃない私なんて、もうお払い箱?
すっかり元気がなくなってしまい、ここに来るべきじゃなかったと項垂れた。
「あれ? 柚子ちゃん、どうしたの? 気持ち悪くなっちゃった?」
「ううん。智之さん、やっぱり私帰ろうと思って」
「えぇ~!? 何言ってるの!」
「冷静に考えると、きっと政宗さん怒ってると思うんです。なのに私ったら、ノコノコとこんなところまで来ちゃって」
そんなだれだって分かるようなこと、ここに来るまで気づかないなんて。
ホント、私ってバカだなぁ……。
自分で自分に呆れてしまって意味もなく笑ってみせると、智之さんはいきなり車を停め怖い顔をして私をことをまっすぐ見据えた。