絶対王子は、ご機嫌ななめ
彼の胸元からよく鍛えられた胸板が見えると、心臓の鼓動が速さを増していく。それでも政宗さんのよく鍛えられた身体に目を奪われていると……
「俺の身体をそんなに見つめるなんて、柚子ってかなりエロい?」
なんて耳元で色っぽく囁く。
「み、見つめてるんじゃなくて、勝手に目に入ってきちゃうというか……」
と苦しい言い訳をして、慌てて政宗さんから目をそらした。
「はいはい、分かった分かった。そういうことにしておいてやるよ」
嬉しそうに政宗さんはそう言うと、私の顔を覗き込むように顔を近づけ、今度はゆっくりと唇を重ねた。
それは私の身体や気持ちの緊張をほぐしていく、甘くて優しいキス。
『責任とれよ』なんて偉そうなことを言っても、ホントはスゴく優しい人なことを私は知っている。
だから、初めてだけど怖くない。
ううん。怖くないどころか、私の初めてが政宗さんで本当に良かったと、心の底からそう思う。
「政宗さん、大好き……」
口から気持ちが溢れると、自然と政宗さんの背中に腕で回して彼を抱きしめた。
政宗さんは私がそんなことをするなんて思っても見なかったのか、一瞬驚いたような顔を見せたけれど。すぐに柔らかい笑顔が戻ってくると、政宗さんも私の身体をギュッと包み込んだ。
「柚子……俺もおまえが大好きだ」
私の前髪をかき上げ、おでこにキスをひとつ。耳元に、頬に、首筋に……。慣れた手つきで私の服を一枚ずつ脱がすと、全身にキスの雨を降らせていく。
そして政宗さんは私を、あっという間に快楽の世界へと連れて行ってしまった。